2016年11月19日土曜日


『キリスト者の世界観―創造の回復』(改訂版)
―まえがき―

 私のこの小著は発刊以来20年に亘って版を重ね、今日までおよそ8カ国の言語に訳されて、今も世界中のキリスト教大学や学校で広く用いられています。このような結果に至ったことは、私にとっては全くの驚きであり、深い驚嘆と感謝の思いにとらわれています。
 この第2版では、本文に若干の修正(主には、改革主義的世界観の特徴を他のキリスト教伝統と比較して記した箇所で少しばかり表現を改めたこと等)を施したほか、私の友人であり、同僚でもあるマイケル・ゴヒーンと共に記した「あとがき」Postscriptを補充しました。この「あとがき」は、世界観についての考察を聖書の大いなるものがたりと宣教の中心的な重要性との両方に結び合わせようとするもので、とりわけ、NT・ライトとレスリー・ニュービギンの著作に多くを負っています。世界観についての私の考察が正しく理解されるためにはこのようなより広い文脈の中で考える必要のあることを私が強く覚えるようになったのは、何よりも『キリスト者の世界観―創造の回復』(初版)に対するニュービギンの反応に接したことによるものでした。ちなみに、1994年にニュービギンがこの未公刊メモを書き留めたきっかけは、マイクの世話で本書の録音版をお聴きいただいたことによるのです。そのような関係を付けてくれたこと、さらには、総じてニュービギンの著作の重要性に私の目を開かせてくれたことにおいて、私はマイクに多大の恩義を感じており、この第2版に共著者として名を連ねてくれたことを私は感謝しています。『キリスト者の世界観―創造の回復』のこの改訂版はクレイグ・G・バルソロミュー&マイケル・W・ゴヒーン著『ドラマとしての聖書―聖書物語における私たちの役割』(グランド・ラピッズ、ベイカー、2004)と合わせて読んでくださると良いでしょう。
 私は、また、1980年代の初頭、この本を書くように最初に勧め、便宜を図って下さったボブ&マーク・ヴァンダーヴェネン父子に対する私の変わることのない感謝の思いを今一度記しておきたいと思います。
 終わりに、妻アリスへの私の感謝の思いは、この書を今一度深い愛を込めて彼女に贈ること以外によっては十分に表すことができません。
アル・ウォルタース

 
私の生涯に大きな影響を与えた本の増補・改訂版に寄稿できることは、私にとってまたとない特権です。私は『キリスト者の世界観創造の回復』が最初に出版されてから間もなくの時にこの書物を読みました。この本は、正に時に適って私の手元に届き、私自身の世界観を深く形成することとなりました。これによって、直ちに私の家族の生活、私の牧会生活は変えられ、さらには、私の研究者としての生涯の歩みにも方向付けが与えられました。これまでの11年間、私はアル・ウォルタースの同僚として、リディーマー・ユニヴァーシティー大学で世界観研究の講座を担当してきました。現在は、トリニティー・ウェスタン大学で改革主義世界観研究のためのジェネヴァ教授職を仰せつかっています。この10年ばかりの間私は、カナダを始め他の多くの国々で多くの人々に世界観について教え語る機会が与えられました。このような人々と交流し語り合う中で私は、この『キリスト者の世界観創造の回復』が正しく理解されるためには、この本をものがたりと宣教の文脈の中に位置付けることの必要性を痛感するようになりました。
 近年において私は、レスリー・ニュービギン、NT・ライト、ブライアン・ウォルシュ及びリチャード・ミドルトンの著作により、世界観の正しい理解のためにものがたり(narrative)と宣教(mission)が重要であることを深く悟るようになりました。元々、これは、私がウェストミンスター神学校で学んでいた時、とりわけ、ヘルマン・リダボスやJH・バーフィンクの著作を読む中で与えられていたものでした。ヘルマン・リダボスに代表されるオランダの改革主義的伝統における贖罪史的な聖書理解において、聖書は、あがないを主題として展開する一すじの物語として、常に理解されていました。さらに、同じ伝統に属するJH・バーフィンクのような宣教学者は、聖書物語における私たちの役割の理解から、宣教学的に重要な結論を引き出しました。リダボスとバーフィンクの両者は、共にアルの思想にも深い影響を与えており、これら二つの要因は『キリスト者の世界観―創造の回復』の隠れた文脈となっているのです。しかしながら、『キリスト者の世界観―創造の回復』を読んだ多くの読者はこのような背景を共有してはいません。それゆえに、この書物が宣教への召しに誠実に応えようとする私たちにとって大きな助けとなる書であることが見過ごしにされてきました。私が願い祈ることは、この「あとがき」がキリスト教世界観の理解を深めることに貢献することです。
 このような機会を与えてくれたアルに感謝します。また、私の生活と思想の形成に大いに与って力のあったその友情と助言指導に心より感謝します。

マイク・ゴヒーン

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