2017年3月2日木曜日

ICS軽井沢文庫だより No.7

「希望に生きる」    宮﨑彌男

  あっという間に、2月が終わって、2017年も3月となりました。年を迎える前から今年は大変な年になりそうだと予測していましたが、この2か月だけでも、トランプ大統領の就任以来、次々と打ち出されてきた大統領令のみならず、クアラルンプールの空港で起こった暗殺事件などにより、全世界が揺さぶられているような毎日です。そのような中で、私たちは、神さまの御言葉である聖書から「希望に生きる」道をはっきりと示されたい。 
創造、堕落、希望の世界観
2月は、長野伝道所で、25日と19日の2回にわたり、新約聖書ヘブライ人への手紙の6章13節~7章19節により、キリストによる希望について説教する機会がありました。新共同訳聖書のこの箇所には、「希望」という言葉が4回出て来ます。この「希望」が、この箇所を読み解くキーワードの一つであることは間違いありません。
 シールズ流()のコール&レスポンスで言えば、「希望って何だ?」「揺るがない希望のことさ!」ということになります。聖書の語る希望(キリストによる希望)は、単なる願望ではない。必ず実現する、確かな、揺るぐことのない希望である。私たちは、そのことを日本キリスト改革派創立60周年の『終末の希望についての信仰の宣言』で明らかにしました。私たちのキリストにあって抱いている希望は揺るがない希望です。ヘブライ人への手紙 619節に「私たちが持っているこの希望は、魂にとって頼りになる、安定した錨のようなものであり、また至聖所の垂れ幕の内側に入って行くものなのです」と書いてあるとおりです。錨は、海の底に重しを下げて船をつなぎ止め、荒波や高波が押し寄せても船が流されないようにするものです。キリストにある私たちの希望も、同じように、人生の荒波が押し寄せてきても揺らぐことのないものだと言っているのです。
 なぜか。それは、私たちが律法を完全に行うことによって得ることのできる希望ではなく、十字架の死と復活によって私たちのためにあがない(罪による負債の除去)を成し遂げてくださった(ヨハネによる福音書1930)キリストのお与え下さる希望だからです。律法による希望ならば、私たちの罪や弱さによって、神のきよさに達することができないので、希望があるのかないのかわからないでしょう。むしろ、正直言って、絶望しかない。しかし、聖書の語る希望は、私たちを愛してくださるキリストのお与えくださる希望です。この希望は、どんなことがあっても、決して揺らぐことがありません。ヘブライ人への手紙の著者は、このキリストによる希望のことを、律法による希望との対比で「もっと優れた希望」(719)と呼んでいます。ハレルヤ、主よ! この希望によって、私たちは、神に近づくことができるのです(19節後半)。
 今年、教会の内外で色々のことが起こるでしょうが、どのような場面においても、この希望によって生き、神に近づきたい。私たちにとって将来は必ず開かれるます。この希望をもって、今月も、ICS軽井沢文庫の育成のために祈り、労するものとなりたい。
(注)2015年の夏、安保法案に反対して(延べ)35万人が国会前周辺に集まりました。その原動力となったとなったシールズ(SEALDS)は、従来のシュプレッヒ・コールに替えて、コール&レスポンス(問いかけ・応える)を試み、「民主主義って何だ?」と問いかけると「民主主義ってこれさ!」と応えるようにした、とのことです(高橋源一郎/SEALDS:『民主主義ってなんだ?』60-67頁参照)。デモ形式のカテキズムですね。

(文庫の中で)
December, 1972

 2月中の主な仕事は、雑誌類の整理でした。Perspective (AACS/ICS 季刊ニュースレター、1969年~2011年)、Vanguard (月刊・改革主義ジャーナル、197011月~198112)ANAKAINOSIS (季刊・改革主義思想ジャーナル/ニュースレター、主幹:アル・ウォルタース、19789月~19866月、全17) 等を年月順に整理しました。これを適当な形にバインドし、閲覧できるようにしたいと考えています。いずれも、日本における改革主義運動展開のために貴重な資料となります。




(『キリスト者の世界観ー創造の回復』増補版・付録の翻訳)
 原著135145頁の「文脈化ー構造性と方向性をわきまえる」を訳し終え、この部分を加えて、ブログ「ICS軽井沢文庫」ics41.blogspot.jp に掲載しましたので、ラベル<『キリスト者の世界観ー創造の回復』付録>の項をクリックして、ごらん下さい。伝道における文化の問題を考える上で、正しい視点を提供していると思います。力を込めて訳しました。ぜひ、お読みください。

「たより」第6号へのレスポンス>岩間孝吉さん(日本キリスト改革派山梨栄光教会長老、元・山梨英和中学・高校校長

☆☆宮崎弥男 様
 ICS軽井沢文庫だより第6号、ありがとうございました。
 賀川豊彦の働きについての研究成果が紹介されていましたのを、
興味深く拝見しました。 
 実は、賀川豊彦は、1948年山梨県を訪ね、甲府や韮崎で
揮毫し、聖句等を額に残しております。(山梨YMCAほか保存)
小生も調査しております。
 1948(昭和23)619()、賀川豊彦一行が、山梨県
伝道のため甲府へ来ておられます。「新日本建設、キリスト教
運動、賀川班、19486月記」=賀川豊彦記念松沢資料館所蔵。
 19日~23日。20()午前9時~山梨県会議事堂にて伝道
集会、来会者1100名、テーマ「一粒の麦」、主催・山梨YMCA
 21()=甲府刑務所で集会、市川大門町で集会。
 20()9時、国立甲府病院にて「精神治療と信仰治療」講演。
2010時半=県立甲府第一高校で、学校講演「自然を通して神を見る」
聴衆1500名、決心カード133枚。
 同日午後3時、韮崎教会で「自然を通して神を見る」講演、聴衆
160名中84名決心。23日正午、松沢に帰った、とのことです。
 PS 山梨県教会一致懇談会、という超教派の活動を50年山梨では
続けています。今年の一致祈祷会の予定を参考までに添付しましたので、
ご覧ください。6日間で、県下32教会3団体から延338名出席、献金
245,134円が捧げられました。小生もその世話人の1人をさせていただ
いています。 
岩間孝吉(山梨栄光教会)☆☆

☆☆岩間さま、ありがとうございました。1948年6月19日~23日の賀川豊彦による山梨伝道の記録をお分かちくださり、感謝です。20日(日)朝の集会には、1100名も集まったのですね。週日の県立高校等での集会でも多数の「決心者」が出た、とのこと。戦後日本の歴史の貴重な1頁として、心に刻みたいものです。お世話された山梨県教会一致懇談会の集いにも多くの方が出席されたのですね。soli deo gloria! 宮﨑彌男☆☆

(前号の誤字訂正)

 前月、2月1日に「ICS軽井沢文庫だより」No.6を公開しましたが、以下の2箇所ばかり誤字がありましたので、お詫びして、訂正いたします。
 1)公開の日付、(誤)201621日→(正) 2017年21
 2)長野伝道所で、御国イザヤ著『勝利を得る日本の教会』を見付けたのは、()214日→()114日、でした。

※次号の発行&ブログ更新は4月初め頃です。


  

   「私たちが持っているこの希望は、魂にとって頼りになる、安定した錨の
   ようなものであり、また至聖所の垂れ幕の内側に入って行くものなのです」
                        
                     (ヘブライ人への手紙 619節)



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389-0115長野県北佐久郡軽井沢町追分36-23 宮﨑彌男・淳子
TelFax 0267-31-6303(携帯) 080-3608-3769
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